双極性障害の家族の記③

前回は、パリ旅行に行こうと言い出し、55万円のクレジット決済をしてしまった所までだった。
それ以降、目まぐるしく色々なことが起きて、正直整理して思い出すのが大変だ。記事を更新する間もなく、ある出来事に対する対策を立ててる間に次の出来事が起きてしまうという状況だった。

 

まずはパリ旅行から。1月下旬のスケジュールでの予約だったので、決済した時点で既にキャンセル料が発生していた。「キャンセル料が発生するんだって。もったいないから行かない?」と言ってきた。なんとか説得してキャンセルには応じてくれた。しかし、キャンセル料が10万円かかる。一応旅行会社には連絡して事情を話し、「精神障害者が病的な状態でしてしまったから、キャンセル料をなしにはできないか」と問い合わせたが、ダメだった。大手の代理店でしかもネット予約だったので窓口は電話のみで対応はマニュアル的だった。コールセンターが機械的にやってるだけで中で相談とかもしてくれないだろうなと感じて諦めた。今回のキャンセル料に関しては正直返ってこないだろうなとは思っていたが、今後同じようなことがあった時のことを考えてもう少し対応してみることにした。188に連絡し、消費生活センターにつないだ。とても丁寧にヒアリングしてくれて対応を考えてくれた。しかし一度契約してしまっているので中々難しいとのこと。3つの電話番号を教えていただいた。無料の弁護士相談(なんでも消費相談)、全国旅行業協会、成年後見人制度の相談窓口。うーん、と悩み、どこにも電話には至っていない。弁護士相談と旅行業協会は自分の労力を超えているなと思ったのと、嫌な思いをするかもしれないのでかけられなかった。成年後見人制度は以前から考えていたので調べた。後見人を誰にするのか、手続きの難しさ、ハードルは思ったより高そうだ。これはでも今後考えていく。旅行に関しての顛末はこんな所だ。

 

そんな状況の乾かぬうちに、1月下旬に父から電話があった。非常に口数は多かった。昨日、バーの客とケンカしたとのことだった。また、年始からスナックに入り浸り、週に10万円使っているとのことだった。とりあえずは話を聞いた。ケンカ相手のこと、スナックのママのこと、他人のことばかりペラペラペラペラ話すので、「他人のこと置いておいて、バーでのケンカとかスナックでの金遣いとか、病院で相談してなんとかしないと」と伝えた。また、スナックでの金遣いは去年7月に入院した時の理由と同じだ。退院の際に、散々医師と私と話していたことだった。その場では反省の弁みたいなのを述べるけどすぐに逆の行動をしてしまうじゃんと、少し厳し目に言うと、「考えてみる」とのことだった。

 

次の日だった。母から電話があった。翌日には診察を控えていた。母から聞く所によると、昨夜飲みにいったとのことだった。つまり先ほどの私とのやりとりの後に飲みに行ったのだ。さすがに、と思い、父に電話した。ある程度厳しい言い方した方がいいなと思い、「昨日飲みに行ったの?」「昨日、僕と話したことは一体なんだったの?」と言った。意味不明なはぐらかしをするので今回は詰めた。「精神障害者だからだ」とのことだった。「精神障害があって、飲み屋でケンカしたりスナックに何十万も使ってしまうことはあるのかもしれない。だけど、昨日の反省の弁みたいなのはなんだったの?」と詰めた。「同じように答えるしかない。キチガイだからだ」と。「息子に叱責されて!!」とキレだしてしまったので、やばいなと思い、「明日診察だよね。また明日ね」と伝え、電話を終えた。

 

次の日の診察は行けなかった。よくある話なのだが、父から母へまるで私への鬱憤を吐き出すかのようなLINEが行われていた。
診察に行けなくなってしまった、父はとんでもない状態にある。どうしようかと悩み、今の病院のHPから相談室とのワードを見つけ、藁をもすがる思いで電話にかけてみた。入院患者関連の人だけなのかなと思ったのだが、地域連携室というところのおそらく精神保健福祉士の方と話すことができた。最近の経緯をしっかりとヒアリングしてもらえた。それだけでも助かった。入院するとしたらの話、話せるタイミングで父に話してみて、などの話をした。

診察に行けなかった父は2日後に再予約を既にとっていた。しかしその再予約にも行けなかった。その二日後には、また救急車を自分で呼んだ。当然搬送はされなかった。

続きはまた次回。