強迫性障害と僕の人生

自分で言うのもなんだが、僕は小さい時から勉強もスポーツも良くできた。

しばらく続けていたサッカーは同学年ではかなり上手い方だったし、勉強も小、中では学年でトップに近いところにいた。

 

中学で発生した強迫性障害により、高校受験に失敗してしまった所あたりから人生が狂っていった。

公立高校に行くために当時の自分だったら絶対受かるだろう高校を受験したが、テスト中の強迫行為により大幅に時間をロスし、結果は不合格。

 

そうして行くことになった私立高校がまあ(僕にとっては)最悪の高校だった。

校則が異常に厳しいこと、サッカー部がクソだったこと、滑り止め用私立高校ならではのネガティブな雰囲気。高校生活という青春時代を楽しむ要素は皆無だった。

そして僕はそこでも強迫性障害によって苦しむ。

部活中に強迫が発動してしまい、思うようにプレーができない。そんな自分が嫌になり、ちょうどその時始まったサッカー部の退部ラッシュの流れに乗っかる形で、部活を辞めてしまった。

 

大学受験は強迫の症状を抱えながらもなんとか国立大学に合格した(それでも第一志望は落ちた)。

強迫性障害はというと、高校を卒業後、実家の引越しをきっかけに随分良くなった。あのボロい団地と僕の強迫性障害とは関わりが深かったようだ。

とはいえ、大学時代から就職後に至るまで、相変わらず苦しい思いはしている。

なんというか、強迫性障害の“名残り”というか、言わば、強迫行為のない強迫性障害といった感じで、仕事や勉強、スポーツ等あらゆる場面で僕の邪魔をしてくる。

 

で、大学時代。

めっちゃ辛かった留年をかけた戦いと就職活動。

3年の時は毎日丸一日図書館に引きこもっていた。

就活はなんとか滑り込みで東証一部上場の企業に内定をもらう。

そこから卒業までがまたしんどく、図書館籠りの生活。

幸せなんてほぼなかった気がするし、何のために頑張ってんだか分からず、何とかやり過ごしていた。

 

会社の一年目。

影を潜めていた強迫症状が顔を出す。

症状がひどくなったわけではなく、そもそも仕事をすること自体、こんな症状を抱えながらできることではないと感じていた。

強迫による自己嫌悪によって僕の精神状態は地獄だった。

 

ところで、僕が入った会社は非常に良い会社であった。

配属先の上司や同期はいい人たちばかりだった。

スポーツ系の部活がさかんで、バスケ・サッカー・テニスなど何でもかんでも参加していた。

その中で僕を好きだと言ってくれた同期の女の子がいた。

僕の精神状態はボロボロだったのだが、運動神経だけは良かったので、なんかちょっとモテていた。

クリスマスイブのデートが、まさか最後になるとは思いもしなかった。

 

年末年始の休暇が終わる頃、実家である事件が起きた。

年明け初出社の前日、僕の精神状態を心配した親が課長に直接電話をして休みを取るという暴挙に出る。で、しばらく休職。

一回休んだらもう戻れないだろうという当初の予測通り、それから僕は二度と出社することはなかった。

ちなみに親は二人とも社会的には終わっていて、父は躁鬱病だ。優しい両親ではあるが、僕の意志に反して休職させてしまったことは、大きな過ちであったと思う。

 

 

現在はというと、貯金とバイト代で生活しつつ、好きなことをして、そこそこ楽しく過ごしている。サラリーマン生活にはかなり疑問を感じていたので、ふっ切れた感はある。

しかし、ふとした時に心の闇が僕を襲ってくる。

強迫性障害じゃなかったらと思うと死ぬほど辛いのだ。

最初にも書いたが、僕は勉強もスポーツでき、見た目もそこそこで人当たりも良い方だと思っている。だからこそ、“あったかもしれない人生”を思うと、死にたくなるのだ。

 

僕は、彼女は大学の時に一年半付き合った人が一人いるだけだ。素人との経験人数もその一人。

高校ではまともな青春を過ごせなかった。

幼い頃から今でも抱いている理想と、現実のギャップが僕を苦しめる。

 

もう一つ辛いことは、その苦しさを誰とも共有できないこと。

強迫性障害を誰かに相談しようとは思えない(今までは精神科の医師と親だけ)。

人生で何か困難を乗り越えてきた人は多いと思うが、僕の場合人生のあらゆる場面で強迫という名の困難が付きまとい続けてきた。

強迫性障害によって自分の能力が発揮できないことが苦しい。

受験に失敗し、大好きだったサッカーも途中で辞めてしまい、仕事もまともにできない。

世の中ポジティブの重要性ばかり説かれていて、僕も何度か試みたが、結局ポジティブになんかなれるわけがない。

 

いったい僕はいつ幸せになれるのだろうか?

 

今だっていつか幸せになれるかなと思って生きてるが、思えば昔からずっとそんな感じだった気がする。

留年バトルの時、就活の時、会社員の時。いつかは幸せになれると思っていた。

でも、そんなことはなかった。

いくら頑張っても、僕が思い描いたようにはならない。

 

会社を続けていれば少しは幸せになれたんだろうか。

彼女ができれば、あの地獄のような生活も少しはマシになったんだろうか。

いずれにせよ、強迫がなければあんな地獄は存在しなかったし、親が不要な介入をしなければ、僕はまだ一部上場企業の社員だった。

 

どっちが良かったかなんて分からないし、そもそも僕は「あの失敗があったおかげで今がある」みたいな考え方にどうも馴染めない。

会社員を続けていたらいたで、そこにはやはりその人生があるのだから。

 

 

最後に山田ルイ53世さんの記事を紹介して終わろうと思う。

この記事の内容は本当に共感できるもので、読む度に泣いちゃいそうになる。

 

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